「~っぽい」と「~がましい」
読売新聞の発言小町にがっかり!この何週間、他人の不幸は蜜の味と言う感じで、読んで結構面白かったけど、最近のトピはあまりにもあり得なすぎて、実話より作り話がましい。あぁぁ~変な人の作り話は面白くないな。勉強のために良かったのに。。。 :-(
この文を書いたのが、日本語を勉強中の外国人とくれば、日本人もうかうかしていられなくなる。がしかし、一ヵ所違和感を覚えるのだ。絶対に「作り話がましい」とは言わない。「作り話っぽい」「作り話みたいだ」であろう。「~がましい」と「~っぽい」はよく似ているので、整理してみよう。
「~っぽい」は日本語能力試験2級の出題範囲にあたる。いつも使っている教科書のNo.51 には、次のように解説されている。
【意味】~のように感じる・~のように見える【接続】[イ形容詞][名詞]+っぽい
「~がましい」は日本語能力試験には登場しないのではないだろうか。今まで遭遇した覚えがない。このように難しい言葉を使ったことをほめてあげたい。
「~がましい」を、手近な辞書で引いてみた。
《体言・副詞・動詞の連用形などにつく》・・・らしい、・・・のふうがある・・・に似ている(角川国語辞典)とある。
「作り話」(体言、つまり名詞)に接続していて、文法的には問題がないように見える。「作り話のふうがある」もなんだかOKしそうだ。
しかし、もうひとつの辞書を調べてみると、
名詞・副詞や動詞の連用形などについて、そのような様子である、その状態に似ている意を表す。・・・・(大辞林)とある。
しっくりしない理由がこれだ。「~っぽい」も「~がましい」も、それぞれ名詞に接続して、「~のようだ」という意味になるが、「~がましい」は様子、状態を表現するのだ。つまり、ここで私が違和感を覚えたのは、「作り話」という言葉が様子を表さないためだったのだ。
「~っぽい」は「イ形容詞」「名詞」に接続する。「~がましい」は「名詞」「副詞」「動詞」に接続する。「物そのもの」と「状態」に分けて取り上げれば、「~っぽい」は物にも状態にも使えるが、「~がましい」は状態にしか使えない。
「作り話っぽい」は言えても、「作り話がましい」は言えないと言うわけだ。
さ、これで、来週の授業で違いを説明できそうだ。
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