ナ形容詞 + ~がる
なぜか、機会がめぐってきて、『ドグラ・マグラ』を読んでいる。
昭和10年に刊行されたこの書は、当時の文体が古臭くもあり、目新しくもあり、一種新鮮な感じがする。ところで、「大切(だいじ)がる常識」ということばがあった。大切そのままに、「たいせつがる」と読んでもかまわないと思うが、「ありがたがる」あたりがしっくりくることばだと思う。前のふたつがなぜしっくりこないのかというと、ナ形容詞+~がるだからか。イ形容詞+~がるであれば、なんら抵抗はないのに。
「~がる」を調べてみると、「形容詞、形容動詞および助動詞「たい」の語幹に付いて、そのように思う、そのように感じるの意を表す」(大辞林)とある。だが、形容動詞「ナ形容詞」に接続した「~がる」が、あまり浮かんでこない。「残念がる」「嫌がる」くらいか・・・。
イ形容詞とナ形容詞、それぞれ物事の性質や状態を表しているのに、心情・感情の表現を得意とするイ形容詞のなせる技なのか。
さて、『ドグラ・マグラ』の続きに戻るとしよう。
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