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2007.04.24

「聞こえること」と「聞くこと」

少し前に見た映画「理想の結婚(Ideal Husband)」のなかの台詞。「見ることと見えることは違うのよ」

日本語を教えていて、「そんな言葉は聞いたことがありません」と断言されてしまうことがある。私が聞いたことがないのだから、そんな言葉はこの世の中に存在しない!とでも言っているように聞こえるが、実際のところは、「今まで聞いたことがありませんでした」とか「初めて聞きました」とでも言う意味なのだろう。こんなことを日本人に言われたら、それこそ「カチン」とくるところだが、相手は日本語学習者なのだから「カチ」くらいに受け止めておく。そうして、「聞こえてくる言葉のどれくらいを聞いているか、考えなさい」と言ってやる。(この言葉どおりに言って理解してくれる人はいないから、あの手この手で、こんな内容を伝える羽目になるんだけど)

ただぼんやりしていても、言葉は耳に入ってくる。理解できる言語なら、ぼうっとしていてもたやすく入ってくる。ところがこれが意識して理解しなくてはならない言語(つまり外国語)の場合は、ぼうっとしていたら、全部すり抜けてしまうのだ。聞こえていても実際は聞いていないのと同じ。一生懸命説明して、相手は頷いているので、これはわかってもらえたと早合点。「わかりましたか」と念押ししたら、「はい、わかりました」早合点の二乗。問題を出したら、まったくわかっていないなんてこともしばしば。「見ることと見えることが違う」ように「聞こえることと聞くことも違う」。いかにして聞かせるか。それが問題だ。

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