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2006.07.04

ひとりだち

昨夜は、サッカー選手の中田ヒデが現役引退するとのことで大騒ぎだった。知らせを聞いたのはテレビのニュース番組だったが、ネットのニュースを見たら、またしても私の関心は中田ヒデの動向より、こんなことの方に。

最初に見たasahi.comのニュースは、こちら。ここの最初の文はこうだ。

サッカーの日本代表、中田英寿選手(29)は3日、現役を引退することを自身のホームページで発表した。

これは、今朝の朝日新聞の一面トップの最初の文とまったく同じだ。ネット上だけでなく、紙面でも同じだった。さらに、昨夜のその後のテレビニュースでもはっきりと「自身のホームページで発表しました」と言っていた。

私がこの文に引っかかるのは、「自身」の使い方。私なら、「彼自身のホームページで・・・」としたい。最近、ネットの書き込みやタイトルなどで、このように「私」自身、「彼」自身の私、彼が省略されているのを見かけ、その度に落ち着きの悪さを感じていた私としては、ああ、とうとう、この落ち着きの悪さは私だけのものになってしまったのかと、少々、もどかしさを感じるのだが、しかたない。新聞で使っている日本語が間違っているなんて、到底言えないだろうから、大きな声では。

この「自身」のほかにも、ひとりだちする言葉として、気になっているのが「結果」。

結果、彼女はあらわれませんでした。
今回のワールドカップでは、結果が出せませんでした。

こんなふうに使われていることが多い。はじめの文は「その結果・・・」としてほしいし、次の文は「いい結果が出せませんでした」としてほしい。結果は、いい結果だけではなく悪い結果も結果だと思うんだけど。こんなふうに「その」、「いい」、「悪い」等がとれた「結果」、「私」「彼」等がとれた「自身」のように、ひとりだちする言葉が多い気がする。そんなに手を抜かなくても、ちゃんと話せば!ちゃんと書けば!と思うけど。時代の流れだからしかたないのかもしれない。そのうち、「課長が行けないので、代わり、私が行きます」とか「さっき横断歩道でおばあさんの手を引いてあげたんだ。今日はおこないをした」なんて、言うようになるのかもしれないが、本当は、そんなふうになってほしくない。でも、ひょっとしたら、もうそうなっていたりして・・・。

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